第 50 話 あんたこの 一殺五百両 をどう思う | 脚 本家 ギリタチ ニコルソン あらすじ: 目隠しと縄を解かれた主水が通されたのは、老中・松平ウコン(里見浩太朗)の別墅の一室であった。「南町牢屋見廻同心中村主水、此度足下に、内々に片付けて頂きたい悪党がおる、いや、足下の素性は儂のほかに知る者はないから安堵せよ…」と依頼された仕事は幕府転覆を謀る柳生金色鎚(柳生博)の暗殺であった。……主水「今度はどうにもやらにゃあならん…ヘタしたら俺の首が飛ぶばかりか、おめぇたちも獄門行きだぜ。仕置料は五百両だが、後払いだ」やいとや「またですかい。一度後払いの五百両がフイになったことがあるってえのに、それでも請けなすったんですかい、ええ?」主水「死にたくなかったらやるしかねえ。ほれ、手間賃の5両だ、1両ずつ取ってくれ」……「方々、待たれい」そこへ現れたのは天下六十四州に手配された元公儀介錯人・拝一刀(萬屋錦之介)と嫡男・大五郎(西川和孝仮釈中)。一刀「老中松平ウコンより依頼されし一件、儂がおぬし等を佐けよとの事、1両お預かり致す」突然大五郎の舌が伸びて主水の掌から1両小判を巻き取った。一刀のただならぬ殺気に主水は内心、こいつには逆らえん…、とこちらは舌を巻く。……かくして柳生暗殺の算段は幕を切り、柳生邸に侵入すべく邸内の女中を篭絡する役目をやいとやが買って出たが、これが呆れるほど裏目った。目をつけた女中・おすか(大地真央)はバリバリのレズタチで、やいとやの目論見を見抜いたおすかは逆にやいとやを囮にして主水たちを罠にかけようとする。策に窮した主水に一刀、「柳生の手の内は儂が知悉しておる。ただし、我ら親子は冥府魔道に生きる者。明日なき身ゆえ、五百両申し受けるがよいな」しかしそこで主水が、「おれたちは何か重大な間違いをおかしているのではないか」と気付き始める。 | 解説-1 | - ギリタチ - 破格の仕置料は必ず取り損なう、という黄金パターン。放映当日、五百両-拝一刀と条件が出揃った22時12分にはオチがみえてそれ以降視聴率が0.5% に下落。メガホンをとった松野ニコルソンも「こんなホンなら姪の明美にやらせりゃよかった」と意味不明なボヤキも洩れたとか。今回は本筋に並行して不良旗本に貧農の娘が陵辱され、許婚が一分銀でやいとやに仕事を依頼する場面もあったが、五百両に心を奪われたやいとやがそんな話を忘れてしまうのは理の当然、恨みすら晴らせぬままストーリーから置き去りにされる救いのない究極の仕業人ワールドも堪能できる。巷では「欲張ってバチが当たったのはやいとや又右衛門」という仕事人V風のサブタイトルがつけられた。 | | | |